こんにちは!

ここ最近、このネタが多いのですが、釣りを快適にこなせるようにするタックルの進化は目覚ましいものがあります。

リールにおいてはギア比も、ひと昔前に比べると非常にバリエーションが増えたし、リールに使っているパーツの素材の進化や機構の進化で、巻き心地も飛躍的に良くなっているし、軽くなっているのに強度もアップしています。

ロッドにおいても、カーボン素材のブランクス形成技術に進歩に加えて、数年前に登場した4軸補強構造などの導入で、必要な場所だけに補強を入れたり反発力を上げたりすることができるようになり、軽さを改善しつつ強度や反発力の改善が進んでいます。
もっと最近では、ナノアロイの導入で、しなって仕事をするロッドの性能も更に飛躍的に改善しています。

また、ロッドにおいてはガイドセッティングもどんどん進化しています。ベイトロッドなどではマイクロガイドシステムの導入で感度や操作性アップが図られていますし、Sicリング全盛期からトルザイトリングの登場で、ロッドバランスの変革も生まれてきています。

ラインについても、昔と比べると細くて強くなっており、より細いラインで釣りができるので、ラインがスプールやガイドに当たる抵抗が軽減されて、ルアーが飛ばしやすくなったりしています。

こんなタックルの進化は、魚のバイトを感じる感度アップの期待効果も大きな要素ですが、その多くが飛距離アップを意識して導入されているように感じます。

やはり、ルアーフィッシングは基本は投げる釣り。
飛距離は釣果に繋がる大事な要素なのです。
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<出展:ヤマガブランクス HP Balistick Bait 紹介サイト>

しかし、進化は無条件に良い面だけがある訳ではなく、進化(工夫)により期待されている効果を真に発揮させる為には、使い手側もその内容を理解していないといけないと感じます。

この理解については、いろいろな捉え方・アプローチがあるかと思いますが、明確に認識できる事例を記載してみたいと思います。


ベイトタックルにおけるリールとロッドの相性

まず最初は、ベイトタックルにおける相性の検証です。

例に出すのは、ラインの放出性能を飛躍的に改善した画期的システム【ダイワ Tウィングシステム(TWS)】の性能発揮についてです。

ダイワが開発したTWSは、リーリング時には従来のリールと同様に1点でラインを保持しつつ、クラッチを切ってラインを放出する時には、左右に大きく開口したラインガイドになるので、ラインがラインガイドに当たることなく放出されるというものです。

TWSには、初期型のT3 AIR と、ターンアラウンド型があり、それぞれに良く考えられたシステムだと驚かされますが、ライン放出時に左右に大きく開いたラインガイドシステムであることに変わりはありません。

■初期型TWS
写真のモデルはT3 AIR です。

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<出展:ダイワホームページ

■ターンアラウンド型TWS
写真は【ダイワ TATULA】ですが、私も使っている【ダイワ モアザン PE-SV】も同じ構造です。

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<出展:ダイワホームページ

このTWSは非常に論理的な仕組みに感じさせられますが、実は使うロッドとの相性に落とし穴があることを意識している人は意外と少ないのではないかと感じます。

最近では感度や軽量化のメリットからマイクロガイドシステム(本当はマイクロガイドシステムはABUが商標登録しているようです)を搭載するロッドが増えています。

ベイトフィネスがこのシステム導入で先行していましたが、最近ではライトゲームなどのスピニングロッドでも導入されている例を多く見ます。

マイクロガイドシステムはガイド数が多いので、ガイドとラインの接点が多くなり、結果として感度向上と言うメリットを生み出してくれていますが、究極のマイクロガイドシステムを搭載しているロッドは、バットガイドからマイクロガイドが搭載されていたります。
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ここが問題というか落とし穴で、ロッド単体としてはマイクロガイドシステムのメリットが多いのは間違いないのですが、ラインの放出幅が大きいTWSとの相性が良くないのです。

リールからはスプール幅いっぱいのレベルでラインが放出されるのがTWSですが、自由度を活かして放出されたラインはキャスト時にはかなり暴れた状態です。

これが、バットガイド(第1ガイド)でいきなり収束されるので、ラインがガイドに当たる抵抗が大きくなり、ライン放出効率を落としてしまうのです。

当然、ライン放出効率が落ちるのでルアーの飛距離も落ちてしまいます。

リール、ロッド、それぞれが高性能なタックルを組み合わせているのですが、相性を考えないとその性能をフルに発揮させることができないのです。

円形もしくは楕円形の従来型のラインガイドシステムを採用しているシマノやABUのリールでは、リールのラインガイドの所でラインが収束されて、そこから第1ガイドにラインが進んでいくので、第1ガイドから小口径ガイドの設定になっているロッドでもラインがロッドのガイドを叩くことなくラインが放出されるので、一見、TWSの方がライン放出効率が良いようで、実は組み合わせるとシマノやABUのリールをセットした方がマイクロガイドシステムのロッドのメリットを活かせるのです。

実際、シマノ社のベイトロッド(主にバスロッド)は、ダイワ社のベイトロッドよりも第1ガイドがワンサイズ小さいものがセットされています。

ダイワのホームページでは各ロッドのガイド径が明記されていませんが、交換パーツ表などで調べると、ほとんどのルアー用ベイトロッドのバット部第1ガイドは#12です。

一方、シマノのロッドではホームページでパーツの価格表が公開されていますが、ベイトフィネス専用ロッド以外はほぼ#10ガイドです。
※ベイトフィネス機は#7など。

リールを提供していないロッドメーカーさんなども、どこかのリールをセットしてテストを繰り返してリリースされているので、シマノやABUのリールをセットしてテストをした場合は、バット部のガイドから小口径のガイドがセットされていたります。
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ネットなどでも、マイクロガイドシステムの飛距離に違和感を感じる記事や質問を散見しますが、マイクロガイドシステムのメリットを期待して導入したのに、リールとのバランスを意識していないために期待する効果が得られていない例ではないかと思います。

これは、メーカーさんの売り方の問題もあるかも知れません。

マイクロガイドシステムは飛距離が伸びると、前提条件無しに商品説明に記載している例を見ますが、どのようなモデルのリールでテストをした結果なのかを合わせて記載しないと、上記のような問題がユーザーに発生するのではないかと思います。

因みに、私がベイトシーバスで愛用している【ヤマガブランクス バリスティックベイト 93M NANO】も、TWSの【ダイワ モアザン PE-SV】でフルキャストしても、ラインがガイドを叩く感覚はないので、第1ガイドはダイワ社のロッドと同じくらいのセッティングになっているのではないかと思います。(正確なサイズは不明)

ヤマガブランクス社のロッドは、チューブラーブランクスなので、そもそもマイクロガイドシステムが導入されていません。
流行のシステム導入ありきではなく、ベイトシーバスではマイクロガイドシステムは不要という検証に基づいたガイドセッティングなのではないかと思います。


ベイトタックルでは、バックラッシュという、避けては通れないけど、極力遭遇したくない宿命のようなトラブルがあります。

上記のようなタックルのアンバランスがあると、このトラブルも発生しやすくなってしまいます。

ベイトタックルを快適に使いこなすには、よりバランスを意識した方が良いというお話しです。

スピニングタックルでも相性は大いにある

次に、ベイトタックルほど意識されていないスピニングタックルについても、リールとロッドの相性について書いてみたいと思います。

対象は、ショアジギなどのヘビータックルではなく、バスフィッシングやアジング・メバリングなどのソルトライトゲームのタックルで話しを進めます。

スピニングリールは、その構造からして、ベールアームをオープンにするとラインは抵抗なく出ていくようになっています。(実際にはライン放出時にスプールエッジにラインが当たる抵抗はありますが)

一件、ストレスフリーでラインが出ていくように錯覚しますが、ルアーをキャストする際にラインが放出される過程で大きなストレスポイントが存在します。

それは、ベイトタックルと同じですが、ラインがガイドに当たる抵抗です。

バットガイド(第1ガイド)が一番の抵抗ポイントになりますが、スピニングロッドについては、リールから放出されたラインをいくつかのガイドを経由することで収束させる仕組みになっているので、バットガイドだけを大きくしても、ライン放出の効率は上がりません。

ベイトリールよりもスピニングリールの方が、ライン放出時のラインの暴れ度合(バラケ度合)は大きいので、ガイドにラインが当たる度合も大きくなりますので、ベイトタックル以上に、第1ガイド⇒第2ガイド⇒第3ガイド、とラインの暴れを収束させていく為のバランスは重要になります。
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<出展:fimo ハマちゃんさんの記事 > 
   
ベイトリールでは、従来型のリールとTWSのようなライン放出性能の違いがありましたが、スピニングタックルではスプール径による違いが大きく影響します。

スプールからラインが出ていく時にはスパイラル(螺旋状)にラインが出ていきますが、当然、スプール径が大きくなるほどスパイラルの直径も大きくなります。

バットガイド(第1ガイド)が小さなものが付いているロッドに、大きなスプール径のスピニングリールをセットすると、大きなスパイラルがまともに第1ガイドに当たるので、ガイドが大きな抵抗となり、ルアーが飛ばなくなってしまいます。

では、ガイドは大きければ大きいほど、ライン抵抗が小さいので良いかと言うとそうでもありません。

ラインの暴れは、トップガイドにかけて収束させていかないといけませんし、先端まで大きなガイドをセットする訳にもいきません。

なので、第1ガイドから適切にラインの暴れを収束させて、先端のトップガイドを抜ける頃には完全にラインの暴れは収束させられているのが、ルアーの飛距離が落ちないバランスの設定になります。

ここでも、流行りのマイクロガイドの話しが出てくるのですが、ベイトタックルのところでも書いた通り、小さなガイドを多めに付けることで、ライトゲームなどで繊細な操作をした際の感度は確実にアップします。

私がアジングで愛用する【サーティフォー 34 アドバンスメント DFR-511】などのガイドの小ささは究極です。バットバイド(第1ガイド)からして既に小さく、第2ガイドから既にラインを通すのが至難の業と感じるほど小口径ガイドのオンパレードです。
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ティップガイドに至っては、ヤバイほど小口径です (^^;
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と感度や操作性を向上させる為に導入されているマイクロガイドシステムですが、ガイドにはラインの暴れを収束させる仕事もあるので、どうやってラインの暴れを早く収束させることがきるか?がロッドのトータルバランスの観点では重要ポイントになってきます。    
   
バスフィッシング全盛期の某人気スピニングロッドでは、大きなガイドが6個くらいしか付いてないんじゃない?という感じのロッドが多かったのですが、最近のマイクロガイドシステムのロッドは6フィート前後のショートロッドでも10個前後のガイドがセットされています。

感度アップを実現する小口径ガイドは少しでも多く残したいので、如何に早くラインの暴れを収束させれるかで、使い易さが決まってきます。

大きなガイドから急激に小さくしていくと、どうしてもラインがガイドに当たる抵抗は減らせないので、出来るだけ初期段階で収束させておきたい。

となると、第1ガイドの時点で、既にかなり小さめのガイドがセットされることになる訳です。

となると、リールから放出されるスパイラル径は最初から小さい方が良いことになります。

となると、スプール径の小さな小型スピニングリールが必要になってくる、という話しです。

小型と言っても、釣りのターゲットにより違いは出てきますが、ブラックバス釣りでは、3lb~4lb程度のフロロカーボンラインの使用がメインになり、フロロカーボンラインは硬いラインなので、キャスト時のスパイラル径は大き目になります。

なので、ガイド径は比較的大き目のロッドがメインになるので、リールについても2500番クラスが相性の良いサイズということになります。

ソルトのライトゲームでは、フロロカーボンラインなら2lb以下がメインになることが多いので、ラインが細い分、自ずとラインのスパイラル径は小さくなるのですが、ロッドに付いているガイドはバス用よりも小型の傾向が強いので、リールのサイズについては1000番~2000番クラスがメインになってきます。

因みに、ラインの種類によってもキャスト時のスパイラル径は変わってきます。

フロロカーボンラインよりもナイロンラインの方が柔らかいので、ナイロンラインの方が若干スパイラル径は小さくなります。

もっとしなやかなPEラインだと、フロロカーボンラインに比べて大幅にスパイラル径は小さくなります。

PEラインの方が飛距離が出ると言われますが、これは、ライン自身の素材の軽さに加えて、ライン放出時のスパイラル径が小さく、ラインがガイドを叩く割合が少ないことも飛距離が伸びる原因になっています。

最後に、ラインのことについて触れたので、もう少しだけ書いてみると、アジングなどで人気が高いエステルラインは、伸びが少ないので硬いラインだという認識が強いと思います。

確かに、伸びが少なく、硬さがあるのは事実ですが、エステルラインの場合は非常に細いラインを使います。

アジングなどでは0.2号くらいがメイン。

ポンド表示で言うと、0.9lb前後で、慣れない間は非常に頼りなく感じるのですが、1lbは約400gある訳ですから、港湾部で釣れるアジくらいなら楽勝で持ちあがります。
ただし、フッキング時の急激且つ瞬間的な負荷には弱くて切れてしまうので、フロロカーボンラインなどのショックリーダーと、リールのドラグをユルユルにしておく必要はあるのですが。

話しを戻すと、非常に細いが故に、結果としてラインはしなやかになり、スパイラル径が小さくなります。

エステルラインは、糸ヨレは発生しますが、糸クセは比較的付きにくいので、1000番クラスの小口径スプールとの相性も良く、結果、アジングメインでエステルを使われる方などは、1000番のスピニングを使っている率が高くなるという流れになっています。

と言うことで、バスフィッシングやソルトライトゲームなどで、最新の小口径ガイドを搭載したロッドを使うなら、リールのスプール径とのバランスを意識して小型のスピニングリールを使わないと、軽量ルアーの飛距離が稼げなかったりして快適に釣りができない、というお話しでした。


最後は使い方のお話し

今回は、特にまとめる話しもありませんおで、最後にタックルの使い方に関して書いて締めくくりたいと思います。

よく、ライトゲームにおいて、ダブルハンドでフルキャストしている方を見かけますが、ロッドを早くキツク振ると、一見ルアーに初速度が付くように感じますよね。

でも、ロッドをキツク振れば振るほど、キャスト直後のラインのスパイラル径は大きくなってしまうのです。

と言うことは?

ここまで書いてきた話しを振り返ってもらえればわかるように、余計にラインがガイドに当たる割合がキツクなり、その抵抗でルアーの飛距離が落ちてしまう、と言うことになるのです。

キャストについては、適度にロッドを曲げて、ロッドの反発力を活かしてキャストするのが、一番飛距離も出ますし、力まない分キャスト精度も安定します。

キャスト時のロッドのスイング速度には、その竿にマッチした最適な速さがあるということです。  

ライトゲームなどでは、シングルハンドキャストの方が飛ぶことが多い、というのはこのような理屈から発生している話しなのです。

次に、ロッドの素材のお話し。

数年前から流行りとなり、一時はどこのメーカーのロッドにも導入されていた4軸カーボンのロッド。

必要な箇所に必要な補強として使うことができて、ロッドの反発力を最大化できるということで、ルアーがよく飛ぶと言われていましたが、これも全てに当てはまる話しではないと思っています。
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4軸補強されたロッドは、シンプルなカーボンロッドよりも硬くなります。これを、張りが強いという言い方もあるかと思いますが、要は曲がりにくくなっているので、振ってみると硬く感じるものが多いのが実情です。

竿は曲げなければ反発力は生まれません

その証拠に、AGSガイドなど軽いガイドを導入すると、パーツの負荷が下がって竿が曲がらなくなるので、セッティングを見直したり、トップガイドは重めのものをセットしないといけなくなるくらいなので、竿は曲がらないと仕事をしてくれないのです。

硬い竿を曲げるためには、重いルアーを投げることで実現しますが、軽いルアーを使いたいシーンでは、ロッドを速く振るしか方法はありません。

体格も良く、腕力も握力も強い人なら簡単にできるかもしれませんが、そうでない人にとってはなかなか負担の大きな作業です。

となると、振り切れる人はどのくらいいるのか?という話しになります。

4軸カーボン導入の竿は無条件に飛ぶ竿なのではなく、しっかり振り抜けることが飛ばせる条件になっている訳です。

これと対局をなすのが、ナノアロイを導入したロッドではないかと思います。

竿の反発力を補強により強めるのではなく、素材そのものに持たせるという発想です。

ナノアロイを用いた竿は、初めて振るとものすごく曲がる感覚を持つと思います。

しかし、今までと同じ力で振っても、今まで以上に曲がることから、曲がった分、戻る力が増してルアーが飛ぶという仕組みです。

素材特性の説明としては、従来のブランクスの素材密度を更に上げているというものです。
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<出展: アピア HP
>

因みに、ルアーを飛ばす力は、遠心力とロッド反発力の組み合わせです。

鉄の棒を使っても、ルアーは投げれますが、それは遠心力だけによるものなので、曲がる竿で投げるよりも飛びません。

長いロッドの方が飛ぶことも、タラシを長く取ると飛ぶことも、遠心力がより大きく働くからに他なりません。

投法としても、ペンデュラムキャストなどは遠心力を最大限活かして投げる投げ方です。

竿の反発力だけに頼らずに遠心力を使って飛ばすので、ロッドにかかる負担が軽減され、重いルアーを投げる時にロッドの折れを回避できる投げ方として多用されます。

Mクラスのシーバスロッドで30gオーバーのルアーを、ロッドの反発だけを使ってビュッ!と振り抜く投げ方をするとロッド破損も起こり得ますが、同じクラスのロッドでもペンデュラムキャストで投げれば十分投げることができます。

ただ、ペンデュラムキャストは遠心力を活かす投法が故に、ルアーをリリースするタイミングが難しく、一般的にはキャストの精度を保つのは難しい投げ方です(キャスト精度を維持するにはそれなりに練習が必要)

ロッドをしっかりと曲げてコンパクトに振り抜くキャストの方がアキュラシーは確保されますので、状況に応じて両方の投法は使い分けられることが理想ですね。

話しが少し逸れましたが、次々と新しいタックルが市場に登場しますが、それぞれ適切な使い方があるので、それを理解して導入しないと、その効果は自分のものになりにくい、というお話しでした。

以上、快適に釣りをする為のタックル面からの検証と、使い方の検証のお話しでした。

気が付くと、非常に長い記事になってしまいました。

あくまでも個人的な見解・認識ですが、少しでも参考になる話しが含まれていたのであれば嬉しいです (^^


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